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2021.10.19

【提言】 新型コロナウイルス対策の科学的基準再設定について

【提言】  新型コロナウイルス対策の科学的基準再設定について
 

 

・ 井上 正康
( 大阪市立大学名誉教授「分子病態学」 )

・ 小川 榮太郎
( 文芸評論家、日本平和学研究所理事長 )

・ 松田 学
( 松田政策研究所代表、元衆議院議員 )

・ 赤尾 由美
( アカオアルミ取締役会長 )

・ 大橋 眞
( 徳島大学名誉教授 )

・ 神谷 宗幣
( 参政党事務局長 )

・ 高橋 徳
( ウイスコンシン医科大学名誉教授 )

・ 武田 邦彦
( 中部大学総合工学研究所特任教授、工学者 )

・ 松本 尚
( 日本医科大学特任教授 )

・ 南出 賢一
( 泉大津市長 )

・ 村上 康文
( 東京理科大学教授 )

・ 矢作 直樹
( 東京大学名誉教授 )

・ 吉野 敏明
( 誠敬会クリニック銀座院長、歯科医師 )

 

 

提 言

 

 

1. 政策転換に向けての
  基本的考え方

 

新型コロナウイルスSARS-COV-2が発生して1年半以上が経過し、世界中の専門家が様々な解析を続けてきた結果、その各種の特性が明らかとなり、今では相当部分が既知のウイルスとなりました。

この間に日本では「PCR検査陽性者の波(陽性波)」を5回も経験してきました。

世界中でインフルエンザを激減させた新型コロナウイルスの感染力は驚異的ですが、それに対する抗体が短寿命であることから再感染の予防は困難ではあるものの、感染によって生まれる免疫力が記憶されるため、後続の感染では重症化率や死亡率が抑制されていきます。「自然感染が最良のワクチンであることは、感染免疫学の教科書的事実」です。

 

日本ではPCR陽性波の度に新型コロナウイルスに対する免疫記憶が国民の間に広がり、ワクチン接種も本年11月には希望する大半の国民に行き渡る目途が見えており、新変異株に対する重症化率や死亡率は低下し続けております。

 

約2週間に1回の速度で変異し続ける新型コロナウイルスでは、半永久的に繰り返されるPCR陽性波の度に国民の行動抑制策を行えば、国が崩壊してしまいます。
通常、変異しやすいRNAウイルスの場合、感染力が増強した変異株が旧株を上書きして免疫力が更新され、宿主の人間との間で動的共存関係を達成した状態で、医療としての感染症は収束すると考えられています。

 

これは、新型コロナウイルス感染症が毎年経験してきた風邪や季節性インフルエンザと同様の存在になることを意味します。

 

新型コロナウイルスがパンデミックとなった当初は、新興感染症への基本的対応策として、国民全体の行動を抑制する方式によって感染を予防する措置が講じられました。しかし、本ウイルスの属性の相当部分が明らかになるに連れて、これまでは過剰気味であった対策を安全に緩めていくことが可能になりつつあります。

 

現在のように社会経済活動や国民の行動を抑制し続けることは、社会経済的機会の喪失のみならず、自殺や精神疾患を含む様々な面において国民に多大の犠牲を強いており、日本全体の今後の活力や成長、次世代の未来などを総合的に考えれば、今回の第四度目の緊急事態宣言終了をもって、新型コロナウイルス感染症対策は大幅に局面転換すべき時期を迎えていると考えられます。

 

そこで、既に明らかにされた科学的知見に基づき、コロナ禍の収束に向けて抜本的な政策転換(PCR検査陽性者数を国民の行動制限措置の根拠とすることを中止するなど)を含め、菅政権及び政府に科学的基準を再設定することを提言いたします。

 

その基本は、これまで人類社会が経験してきた「人間とウイルスが適度に平和共存する状態へ着地する収束戦略」です。本着地点では、新型コロナウイルスも私たちが昔から罹患してきた風邪や季節性インフルエンザのウイルスと同等の存在として扱われます。
これまでも日本人は風邪やインフルエンザの感染予防に努めてきましたが、今回の経験を基に一層の予防に努めながら、国民の社会経済活動等を正常な状態に戻すことを目指すべきです。

 

政府や自治体等の新型コロナウイルス感染症対策に対しては、今後、以下に提言する通り、PCR陽性者数の抑制よりも、発症者のケアや重症化の予防などに、より一層重点を置くことを求めるものです。そのもとで、国民各位においては、ウイルス感染症に対する基本的な防御力である「免疫力の強化維持とその源泉である健康増進」に、より強く取り組まれることを期待します。

 

 

 

2. 科学的基準の再設定

 

 

(1)政策判断の基準の変更

 

❶  政府及び自治体等による新型コロナウイルス対策を、「PCR検査陽性者数(≠感染者数)の抑制から、重症者数や死者数を抑制する政策へ転換」する。

 

❷  これに伴い、「感染拡大抑制の為の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、自粛要請となどの国民行動抑制措置(社会的距離戦略)は行わずに社会経済活動を正常化」する。
仮に同措置を採る場合でも、「判断の基準としてPCR検査陽性者数(≠感染者数)を基準としない」ことを基本とする。

 

❸  重症化や死亡率を抑制するために、今後は以下の対策に重点を置く。
(ⅰ)医療資源の拡充…新型コロナ対応ベッド数や医療機器のさらなる拡充。
(ⅱ)治療薬の開発・活用…重症化を抑制する医薬、軽症・中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症者のそれぞれの段階に適合する医薬の開発・承認・普及の促進。

 

❹  ワクチンについては、本年11月までには希望する国民全員が接種できる状況となるが、その後も、希望する国民が接種できる状況を確保する。
ただし、ワクチンは各国民の自主的な判断に基づく任意接種によるものであることが前提であり、国民各界各層に対しては、接種証明を広範に活用することを含め、接種の事実上の強要につながる行為等を慎むことを要請することとする。
特に、死亡率が極めて低い世代である若者世代、なかでも、接種に伴うリスクとベネフィットに関して自ら判断することを求められない子ども世代に対しては、接種の強要は行わない。
ワクチンパスポートについては、これに代わるものとして抗体検査を普及させ、各国でも広く活用することを国際社会に働きかける。

 

 

(2)検査に関する基準の変更

 

❶  健常者、無症状者へのPCR検査による感染症判定を原則として廃止する。従来の季節性インフルエンザと同様、症状のある人にのみ、医師が所要の検査を実施して診断することを原則とする。

 

❷  PCR検査の陽性判定をもって「感染者」として報告することを原則として停止する。

 

❸  医療機関において新型コロナウイルス感染症を検査する際には、医師の判断により、抗原検査、抗体検査、肺CT画像検査や血栓症のマーカーである血中Dダイマーの測定などを行うことが、有効かつ現実的な方法である。仮にPCR検査を実施する際には、Ct値30以下での使用を条件とする。

 

❹  医療機関以外において新型コロナウイルス感染症への罹患状況を把握する必要がある場合には、PCR検査ではなく、抗原検査や抗体検査によるものとする。

 

 

(3)医療及び隔離措置に関する基準の変更

 

❶  医療機関が対応するのは「PCR陽性者ではなく発症者である」という医療の基本に立ち返り、以下に医療資源を重点配分する。
(ⅰ)他者に感染させるリスクのある発症者を割り出す(抗原検査や高感度抗体検査)
(ⅱ)発症者に対するケア
(ⅲ)発症者からの二次感染を防ぐ方策
(ⅳ)発症者の重症化抑制策
(ⅴ)重症者対策
これにより医療崩壊を防ぎ、国民に対して必要な医療全てが適切に提供される体制を確保する。

 

❷  上記を可能とするために、「新型コロナのPCR陽性者を隔離する対策を改め、現行の指定感染症分類の運用を2類(実質はペスト並みの1.5類相当)から、季節性インフルエンザ並みの5類以下の運用へ変更する。

 

 

以上

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