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2023.06.01

【質問主意書】 我が国に設置された孔子学院に関する再質問主意書

令和5年5月31日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『我が国に設置された孔子学院に関する再質問主意書』
 
 我が国に設置された孔子学院に関する質問主意書(第二百十一回国会質問第六三号、以下「本件質問主意書」という。)に対して、答弁書(内閣参質二一一第六三号、以下「本件答弁書」という。)の送付があった。
 それを受け、再質問する。
 
 本件答弁書によれば、孔子学院は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、同法第百二十四条に規定する専修学校及び同法第百三十四条第一項に規定する各種学校のいずれにも該当しないと考えられることから、同法においてその設置に係る手続は定められておらず、そのほかにも、その設置について規律する法令があるとは承知していないとのことである。
 
 1 孔子学院の設置は、学校教育法に基づき認可・設置された我が国の学校法人がその敷地・施設・人員を用いて行うものであり、それが学校法人の行為として相応しいかどうかを判断せずに看過するのは、政府の立場として問題があるのではないか、この点に関する政府の認識を示されたい。
 
 2 平成三十一年二月二十七日、米国上院国土安全保障・政府問題委員会が公表した「米国の教育システムに対する中国のインパクト」報告書において、米国に設置された孔子学院では、「中国政府は、米国教育機関における孔子学院のほぼすべての側面をコントロール」しており、孔子学院の学院長と教員も「中国の国益擁護を誓約」させられ、「孔子学院による資金提供には学問の自由を棄損しかねない付帯条件が付けられ」ているとされた。日本においても同様のことが行われている懸念があるが、政府の見解を示されたい。
 
 3 政府は、孔子学院の設置について、どのような根拠で合法性を担保しているのか。どのような事態であれば学校法人の行為として相応しくないとみなすのか。具体的に説明されたい。
 
 4 本件質問主意書で述べた孔子学院に関する懸念や問題点(中国政府の影響が及び、中国の宣伝機関、スパイ機関の拠点として機能する懸念など)に鑑み、孔子学院の設置に係る何らかの条件や規律あるいは孔子学院の設置手続への政府の関与がないことは適切であるのか、改めて政府の見解を示されたい。
 
 本件答弁書において、具体的に意味するところが明らかでないとされた本件質問主意書の「実質的に外国政府の統制下にある機関」とは、中国政府の傘下にある組織により組織、予算、人事等の手段で統制されている孔子学院を指し、それが我が国の大学に設置されることにより、設置大学の学問の自由を阻害するだけでなく、広く日本として教育権の阻害となるとともに安全保障の懸念材料となることを趣旨としている。米国の事例に照らして政府はそのような認識を持たないのか。政府の認識を示されたい。
 
 参議院文教科学委員会(第二百四回国会令和三年五月十三日)において、萩生田光一文部科学大臣(当時)は、「孔子学院につきましては、同盟国である米国、また、自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を持つヨーロッパの国々からも廃止や情報公開を求める懸念の声が高まっております。その運営の透明性が求められているものと承知しておりますので、文科省としては、関係省庁と緊密に連携して動向を注視するとともに、我が国の大学において孔子学院が設置されている以上、大学の主体的な研究活動が妨げることがないよう、孔子学院を設置している大学に対して、組織運営や教育研究内容等の透明性を高めるべく、情報公開を促してまいりたいと思います。」と答弁した。
 
一方、本件答弁書によれば、文部科学省の働きかけにより、孔子学院の設置経緯、運営体制、教員の氏名、教育内容、予算及び決算の状況等(以下「孔子学院に関する情報」という。)の情報公開が進んでおり、孔子学院の活動等に関する事実の把握が進んでいるとのことである。
 
 1 この二年余りの間、孔子学院の動向を注視して、孔子学院に関して透明性を高め情報公開を促してきた孔子学院に関する情報は、いかなる形式で国民に対して情報公開しているのか。
 
 2 孔子学院に関する情報を踏まえ、本件質問主意書で述べた孔子学院に関する懸念や問題点(中国政府の影響が及び、中国の宣伝機関、スパイ機関の拠点として機能する懸念など)に関して、現時点で政府として我が国にある孔子学院の状況をいかに分析、評価しているか。
 
 3 今後、政府として孔子学院に関する情報を報告書等としてまとめ、併せて、我が国に設置されている孔子学院の活動等の分析と評価結果を公表する考えはあるか。
 
 本件答弁書によれば、本件質問主意書のいう「我が国の安全保障、学問の自由等にとって重大な懸念と問題のある組織が大学内に設置された」の具体的に意味するところが明らかではないとのことであるが、その意味するところは次のとおりである。孔子学院が組織、予算、人事等により実質的に中国政府の統制の下にあり、中国の宣伝機関あるいはスパイ機関としての役割を果たしているのではないか等の重大な懸念と問題点が、主要国(米国、カナダ、欧州主要国ほか)で指摘され、実際に孔子学院の閉鎖に至っている例がある。かかる懸念と問題点の指摘される孔子学院が日本の大学内に設置されることで、我が国の安全保障、学問の自由などの阻害要因になるおそれがあるということを意味する。
 
また、本件答弁書によれば、本件質問主意書「四」の「政府としていかなる対応が可能であるか」については、個別具体の事案に即して判断すべきものであり、一概に答えることは困難であるとのことであるが、本件質問主意書「四」は、日本の制度としていかなる対応が可能かという検討を事前に十分に行っておくことが必要である考えからの問いである。
 
本件答弁書の述べるように、政府の働きかけ等を受けて孔子学院を設置する学校法人から公開される情報等を踏まえ、「管理強化、閉鎖、設置抑制等の更なる措置」が必要な場合や、ましてや法令違反があると認められる場合には、適切に対処することが求められるのは当然である。
 
 1 我が国に設置された孔子学院について、「管理強化、閉鎖、設置抑制等の更なる措置」が必要である、ないしは、法令違反があると認められる場合が見られるケースがあるか、現時点の政府の分析と評価を示されたい。
 
 2 前記の萩生田光一文部科学大臣(当時)の国会での発言から二年余りが経過し、各国にて本件質問主意書に述べたとおり具体的な措置を採っている状況に鑑み、我が国においても、孔子学院に関する情報を分析して具体的に必要な措置を採る時期に来ているのではないか。防衛省のシンクタンクである防衛研究所が令和三年三月に公表した「東アジア戦略概観二〇二一」では、同盟国アメリカが孔子学院を「安全保障上の脅威」としているとの分析を行っている。政府は、米政府とは異なり、孔子学院について現状では「安全保障上の脅威」とはみなしていないのか。また、政府の孔子学院に関する具体的な取組(孔子学院に関する情報の取りまとめ、分析、評価、政府の採る措置の決定、決定された措置の実施などを含む手順及びそれぞれの実施時期)はどのように進められる見通しか。
 
 本件答弁書では、孔子学院が設置されている日本の大学名については回答があった。しかし、本件質問主意書「六」において質問した孔子学院と同様の機関(中国側の何らかの組織と日本の教育機関が合意して設置し、中国語や中国文化を普及する等の活動を行っている機関)が、「孔子学院」、「孔子課堂」、「孔子学堂」等の名称を問わず、日本の小中高校に設置されているかについては具体的な回答がなく、政府として把握していないとも理解できる回答であった。
 
 早稲田大学孔子学院のホームページによれば、「平成二十四年四月、早稲田大学高等学院は北京大学付属高校と連携し、孔子課堂を開設し、このプラットフォームを利用し、中国語教育のリソースをより一層充実させるとともに、中国の高等学校との間の交流事業を展開し、在学生にもっと多彩な交流プログラムを提供する」とされており、孔子学院と同様の機関に当たると考えられる。
 
 本件質問主意書で述べた孔子学院に関する懸念や問題点に鑑みれば、政府は早稲田大学高等学院孔子課堂を含む孔子学院と同様の機関が我が国の小中高校に設置され存在するかを把握しておくべきものと考えるが、政府の見解を示されたい。改めて、孔子学院と同様の機関が、その名称を問わず、日本の小中高校に設置されているかについて、現在、設置の現状を把握していないのであれば、日本の小中高校に孔子学院と同様の機関が設置されているか調査し、回答されたい。
 
 右質問する。

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