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2024.04.01

東京出入国在留管理局の労働実態に関する質問主意書

令和6年4月1日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『東京出入国在留管理局の労働実態に関する質問主意書』
 
 出入国在留管理庁の「令和五年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(速報値)」によると、令和五年における外国人入国者数(新規入国者数と再入国者数の合計)は、約二千五百八十三万人で、前年に比べ約二千百六十三万人(約五百十五・三%)増加、新規入国者数は、約二千三百七十五万人で、前年に比べ約二千三十三万人(約五百九十三・八%)増加している。
 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、水際対策が開始された令和二年二月一日以降、外国人新規入国者数は大幅な減少に転じていたが、令和四年三月以降、外国人新規入国制限の見直しを始めとする水際対策の段階的な緩和などにより、令和五年における外国人新規入国者数は急激に増加し、新型コロナウイルス感染症拡大前である令和元年の約八十三・六%の水準にまで達している。
 
 過去の統計データを踏まえると、このうち約半数は、東京出入国在留管理局管内で占めており、出入国審査数、在留審査数においても同様の傾向であると推察される。特に退去強制手続きについては、その七割近く、難民認定申請数については、九割以上が、東京出入国在留管理局管内に集中している状況にあると推察される。
 また、在留外国人においては、中国、ベトナム、韓国、フィリピン、ネパールと多岐にわたり、難民申請については、カンボジア、スリランカ、トルコ、ミャンマー、バングラデシュと様々な言語での面談等、対応の難しさが増している。
 
 このように出入国管理行政を取り巻く環境は刻々と変化しており、出入国審査業務だけに限らず、在留管理業務や難民認定手続業務、退去強制手続業務など全ての入管業務で繁忙な状況に拍車がかかっており、入管全体で人員不足や従業員の精神的負担も深刻な状況になっていることが懸念される。
 今後もさらに訪日外国人の大幅な増加が予測され、対応する出入国管理体制強化のための大幅な増員と設備の充実が必須であり、そのような職場の労働条件の改善があってこそ、更なる水際での迅速かつ正確な審査判断と、対応の質向上が望めるのだと考える。
 
 これらを踏まえ質問する。
 
 
政府は、東京出入国在留管理局の労働実態をどのように把握し、評価改善活動を行なっているか、その詳細を示されたい。また、把握している労働実態については、どのようなに評価しているか、明らかにされたい。
 
 
東京出入国在留管理局においては、非常に精神的負担の大きい業務を担っている状況であるが、メンタルヘルス不調で連続一ヶ月以上休業した職員数は、直近十年でどのような推移があるか。また職場におけるメンタルヘルスケア対策としてどのような対策を行っているか示されたい。
 
 
前述の通り、訪日外国人の大幅な増加が予想される中、今後の東京出入国在留管理局における、増員計画を明らかにされたい。
 
 
東京出入国在留管理局においては、新卒採用を中心に人員補充を行っているが、いずれも対人スキルにおいて、経験・熟練を要する職場であるところ、まとまって大量採用した際には、上司や先輩に部下指導の負荷が通常業務に加えて負担となる。その点については、教育プログラム等、十分なサポートは行われているのか、状況を示されたい。
 
 
東京出入国在留管理局の建物は平成十五年に現庁舎に移転され、すでに二十年以上たっており、施設や設備の更新が必要な時期にあると思われる。例えば、多種多様な言語への対応が必要な状況において、通訳の手配による手間や費用負担が増える中、ITを活用することで、ある一定の負荷軽減と利便性の向上が望めるが、そのような施設内の設備や施設の導入予定や更新計画を明らかにされたい。
 
  右質問する。

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