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2023.11.06

【質問主意書】 公的機関の職員の国籍に関する質問主意書

令和5年10月31日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『公的機関の職員の国籍に関する質問主意書』
 
 私が令和五年六月十五日に提出した「公的機関の職員の国籍に関する再質問主意書」(第二百十一回国会質問第一〇九号)に対する答弁書(内閣参質二一一第一〇九号。以下「本件再答弁書」という。)の送付が内閣からあった。
 
 本件再答弁書の一についてでは、「一定の時点における全ての職員の国籍を把握することは独立行政法人において膨大な時間を要」するとしている。しかしながら、我が国の公的機関に外国籍の職員が採用され在籍している実態を正確に把握し、適切に管理されているかを確認することは、我が国の主権に関わる重要事項であり、時間がかかるから調査できないで済まされる問題ではない。
 令和五年六月には、国立研究開発法人である産業技術総合研究所の研究データを中国企業に漏らしたとして、国防七校の教授を兼務していた中国籍研究員が逮捕されたという不祥事(以下「本件事件」という。)があったばかりであり、この事件の教訓からも、実態調査とそれに見合った情報保全措置を含む対策の確立が必須である。
 
 同様に、私が令和五年五月十八日に提出した「公的機関の職員の国籍に関する質問主意書」(第二百十一回国会質問第七八号)に対する答弁書(内閣参質二一一第七八号。以下「本件答弁書」という。)の二についてにおいて、「外国籍職員の国籍及び国籍別の人数並びに所属及び役職を明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり、プライバシー保護の観点から、答弁を差し控えたい」と答弁し、プライバシーを理由に、右のとおり二度にわたり質問主意書への答弁を行っていない。しかしながら、「外国籍職員の国籍及び国籍別の人数並びに所属及び役職を明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり」との文言は意味不明と言わざるを得ないものであるとともに、問題のすり替えである。氏名等の個人情報が開示されていない状態で直ちに「個人が特定」されることとはならない。
 実際、過去においては、独立行政法人のうち研究開発型法人について、在籍する常勤外国人研究者の国籍(地域別)の内訳を内閣府が調査して公表している(平成三十年度独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査(平成二十九事業年度))。
 
 また、私が令和五年五月二十三日に提出した「我が国の防衛技術開発を忌避する日本学術会議が中国の軍事技術開発を担う国防七校と我が国の大学機関との共同研究等の提携を不問にしている矛盾に関する質問主意書」(第二百十一回国会質問第八一号)に対する答弁書(内閣参質二一一第八一号)では、国防七校から、三十九人が日本の大学に留学していたことが明らかにされている。これらの際にプライバシーが問題とされたことはない。
 
 外国籍職員が「日本国民全体に対する奉仕者」として職務に従事する上での担保(宣誓や職制)をどのように実施しているのか示すことさえ、プライバシーを理由に拒否するとすれば、我が国の公務員のあり方の根幹を揺るがすとともに、国民のために奉仕する公的機関を外国の影響とコントロール下にさらすという由々しき事態を招くことになる。国民全体の福祉と安全に責任を負うべき政府が、公務員の採用に際してその者の国籍を把握し、データを公表することは国民に対する義務と言うべきである。
 
 以上を踏まえ質問する。
 
 以下の独立行政法人について、在籍している外国籍職員の総数、国籍及び国籍別の人数を示されたい。
 1 国立研究開発法人産業技術総合研究所
 2 国立研究開発法人科学技術振興機構
 3 国立研究開発法人物質・材料研究機構
 4 国立研究開発法人理化学研究所
 
 政府は、本件答弁書及び本件再答弁書において、「各独立行政法人においてその業務の遂行に必要な人材を適切に確保している」としているが、前記一で取り上げた諸機関の外国籍職員の採用方法は、推薦によるものか、公募によるものか、もしくは別の方法か、明らかにされたい。
 
 政府は、本件再答弁書において、国籍把握をすることは、「海外に事務所を設置する独立行政法人においては、現地での採用活動や事務所の運営に影響を及ぼすおそれがあることから、現地で採用する職員について国籍を確認すること自体が困難な場合がある」としている。国籍把握をすることが「現地での採用活動や事務所の運営に影響を及ぼすおそれがある」とは、具体的にどのようなことなのか、示されたい。
 
 外国籍職員が「日本国民全体に対する奉仕者」として職務に従事する上での担保をいかなる措置で保障しているのか。本件再答弁書において、「服務規律の保持のための宣誓」について回答されたが、宣誓がやぶられた場合の機関としての処分や刑事責任の追及の具体的なあり方、さらにそれぞれの機関が担保として実施している措置について示されたい。
 
 本件事件のような、外国籍職員を採用した国の機関からの技術・情報の海外流出を防止するために、いかなる再発防止策を講じる計画か。具体的に示されたい。
 
 右質問する。

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