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ジブチ、変化する「一帯一路」

2021/04/25 飛高祥吾

 2021年4月9日、アフリカ、ジブチ共和国で大統領選挙が行われた。結果は現職イスマイル・オマル・ゲレ氏の勝利で終わり、ゲレ氏はこれまでの22年間の任期に加え5期目の任期を確定させた。

 

https://www.france24.com/fr/afrique/20210410-djibouti-isma%C3%AFl-omar-guelleh-r%C3%A9%C3%A9lu-avec-98-58-des-voix-%C3%A0-la-pr%C3%A9sidence

 

フランス24は、CNNやBBC、またアルジャジーラなど国際的なニュースチャンネルに対抗しフランス的価値観を伝えるためにフランス政府により画策された放送局である。この大統領選にあたり、中国とジブチの関係について触れた記事がこのフランス24に掲載された。

 

https://www.france24.com/fr/afrique/20210408-djibouti-et-la-chine-de-l-enthousiasme-au-mariage-de-raison

 

ジブチはアフリカの角に位置し、紅海とアデン湾に面する人口100万の小国である。旧フランス植民地であり現在は中国の経済的影響下にある国として紹介されることも多い。

このジブチには、アメリカ、フランス、日本、イタリアの軍事基地が存在する。加えて2017年には中国の軍事基地も設置されている。この基地は中国国外で唯一の常設基地でもある。

軍事基地は、アデン湾での海賊対策やスエズ運河への海上交通の監視といった安全保障上の理由のために存在するが、北京にとってはそれはジブチでの自分達の存在感を示す象徴でもある。

中国は21世紀以来、ジブチに注目し、スタジアムや学校、公的建物の建設、また道路の改修など多大な投資を行ってきた。さらに「一帯一路」構想以来その規模は強化された。多目的港のドラレ港やジブチ、エチオピア間の鉄道、アディスアベバまでの延びる石油パイプラインといったものがその成果である。2018年には自由貿易区が開設されている。中国にとってジブチとは、「一路」がエチオピアやアフリカ内陸部へ続くための橋頭堡に他ならない。

反対に、ジブチのゲレ大統領にとっては中国の資金は政治的資産である。中国は、ジブチの資金需要にとって唯一の頼り先であり、ゲレ大統領にとって、それはジブチの経済をアフリカのシンガポールに変えるという計画を売り込むことを可能にするものである。中国の資金によって大統領は経済的安定と社会的平和を買ってきたのであり、そのことは彼の権威主義的政権を持続させる要因の一つであった。

ゲレ大統領にとってもジブチにとってもこの20年間は戦略的に重要な自国の地理的位置を活用し、外国勢力に手を広げてきたという物語である。今回もゲレ氏は勝利し、これまでと同様、ジブチに対する中国の経済的影響力がひとまず続くことが予想される。

だが時が過ぎるごとにジブチと中国の間で利害のすれ違いが起きてきているのも事実である。

現在ジブチの債務の70%は北京に対するものであり、それはジブチの主権を脅かすものとみられている。

融資の返済が不可能であったために港の管理権を中国企業へ引き渡すこととなった2017年のスリランカの例もあり、ジブチの人々は中国からの投資を脅威と見なすようになってきている。

またスリランカの事例は北京の振る舞いへも影響を与えている。スリランカでは中国は結局のところ悪役を演じることとなった。現在、北京はけっして同じような悪役を演じることを望んではおらず、債務の再交渉等異なるアプローチをとりつつある。

また投資の恩恵についてもジブチの人々は疑いの目を向けつつある。たとえば雇用面で考えればドラレ港は地元の雇用にほとんど貢献していない。恩恵を受けるのは中国企業であり、中国の資金がジブチ人に与えた影響は非常に限られている。ジブチの人々は何十億ドルもの投資がどこへ行ったのか疑問を持ち始めているのである。

現在は、中国からの投資が評価される時期であり、場合によってはジブチ自身が投資の供給源の多様化を検討し始める可能性もある。フランス24の記事では、この点がフランスの企業にとって有益であることが指摘されている。

ゲレ大統領の再選から中国の存在感が失われつつあるわけではないと理解することもできる。だが同時に潮目の変化へ注意する必要がある時期が到来しつつある。

 

画像

https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Djibouti_Port.JPG

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