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2021.10.29

台湾の小学校の給食にパンと牛乳は出てくるの?

2021/10/29 松本裕子

 

台湾の小学校の給食にパンと牛乳は出てくるの?

 

先日、台湾の建物や人々の写真展に偶然出会ったことがきっかけで、台湾の小学校、中学校、高校について、知りたいと強く思い、30代の英語の先生をしている台湾女性に子供の頃の体験(12~20年前)と、現在の台湾の教育の傾向を話してもらった。

 

小学校の給食は、日本と違いますか。

 

「私が通っていた台南の小学校は、週に一回だけパンと牛乳がでました。他はご飯か麺類、おかず、果物でした。学校に大きなキッチンがあり暖かい食事がでます。台湾では温かい食事が基本です。」

 

お弁当は冷たいですよね。

 

「中学校に通っていた時、お弁当は前もって大きな蒸し機械の所に持っていき、お昼になるとそれを取りにいって、温かいお弁当を教室で食べたものです。給食もありました。高校生になると大半がお金を持ってきました。お昼の時間は自由に外に行けるので、町の食堂で食べることも、屋台で食べることも出来ました。」

 

授業時間で日本との違いはありますか。

 

「中学3年生の時は、朝早くからナイトスクール(放課後自習)終了21:30まで学校にいました。もちろん夕食の時間はあります。現在もこの制度はあります。高校生になると放課後は塾。当時は学歴が大切だったので必死で勉強しました。」

 

今は、違うということですか?

 

「はい。今は学歴に対する価値観が変わってきています。文系の場合、給料はどの大学を卒業してもほぼ同じだからです。偏差値が高い生徒は理系を目指します。実践的な授業をする台湾科技大学が人気になっています。小学生でも中学生でもプログラミングやITの技術を自宅で学べます。英語で数学を教えるなど、『反転授業』もすすんでいますし、授業時間も短くなっています。少子化の影響ももちろんあります。」

 

歴史教育における日本統治ついて、教えてもらいますか。

 

「歴史は高校で学びます。1895年〜1919年〜1936年〜1945年とに分かれています。1936年から1945年は皇民化政策で日本人の名前を強制的に名乗り、日本語を強制的に学んだと習います。また大東亜戦争で戦地にいき日本人として戦った/戦わされた、そういう感じで習います。

 

しかし、その前の時代1895年から1919年は、児玉源太郎や後藤新平が、政府から日本的法律を作れと命令されたものの、気候風土や文化に合わせた法律が必要だ、と台湾のために働いたということも教科書にのっています。鉄道、港湾、水道などのインフラから、教育、温泉、医療制度まで導入したと。もちろん、日本の産業や会社のためだとは思いますが、台湾人の生活が向上したことは間違いないです。日本統治は、明るい所と暗い所があります。大東亜戦争後の国民党は、日本が作ったものを徹底的に壊そうとした、と聞いています。『蒋介石』が日本の表記。『蒋中正』が台湾の表記です。この人の字と名ですが、表記の違いが興味深いです。」

 

現在の国民党と民進党のことを教えてください。

 

「台湾の南部、台南も含め、カノンの映画の土地『かぎ』は民進党の地盤です。東海岸南部が国民党の地盤です。2016年と2020年の総統選挙では、東海岸の国民党の投票率が上がりました。民進党の蔡英文を若い人は応援しています。世界中から、地元の投票箱に投票しに若い人は帰国します。一票の大切さを知っています。」

 

ありがとうございました。

 

歴史教育とは、自国民を洗脳するためなのか。冷静に今を見るための道具として使うのか。台湾の教育は、一票の大切さや、日本統治時代の功罪を書くなど、バランスが取れていると思った。日本の教育を振り返ると、大型利権や戦後教育の洗脳もあって、何から手をつけていいのか分からないぐらいだ。せめて、小学校のパンと牛乳は週一回にして欲しい。

 

参考資料

https://sites.google.com/view/sanminhistorybook108

 

https://udn.com/vote2020/infographic

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